今回は、ZEDD(ゼッド)を特集します。
人気のDJでヒット曲も多いアーティストで、これまでの曲はぜひチェックしておきたいですね。「Clarity」「Stay」「The Middle」と、EDMの枠を越えて世界的なヒットを生み続けてきました。
2024年には9年ぶりとなる3rdアルバム『Telos』をリリース。さらに『ドラゴンボールDAIMA』の主題歌を手がけるなど、日本との縁も深まっています。
この記事では彼の代表曲を網羅しているので、EDMファンは必見です。
ZEDD(ゼッド)ってどんなアーティスト?
ロシア生まれ、ドイツ育ちの音楽一家
ZEDDはロシア出身ドイツ育ちのDJ、音楽プロデューサー。本名はアントン・ザスラフスキーといいます。1989年9月2日、当時のソビエト連邦・サラトフに生まれ、3歳のときに家族でドイツのカイザースラウテルンへ移り住みました。
両親ともに音楽家という環境で、父はギタリスト、母はピアノ講師。本人は4歳でピアノ、12歳でドラムを始めています。EDMのプロデューサーとしては珍しい、クラシックの素養をきっちり持った作り手です。
ちなみにアーティスト名の「Zedd」は、アルファベットの「Z」のイギリス英語読み「zed」から取られています。
メタルコアバンドのドラマーからEDMへ
意外なことに、彼のキャリアの出発点はダンスミュージックではありません。2002年から2012年まで、兄と結成したメタルコアバンド「Dioramic」でドラマーを務めていました。
転機はフランスのユニット、ジャスティスのアルバム『†(Cross)』を聴いたこと。ここからエレクトロに傾倒し、2009年ごろから制作を開始。2010年にはBeatportのリミックスコンテストで2度優勝し、一気に頭角を現しました。
緻密に組み上げられた音の構造と、ロック的なダイナミクス。彼の楽曲が他のEDMと少し違って聴こえるのは、このバンド出身という経歴と無関係ではないはずです。
プロデューサーとしての顔
今までに、レディー・ガガ、ジャスティン・ビーバー、ブラック・アイド・ピーズ、安室奈美恵、B.o.B、スクリレックス、アリアナ・グランデらの楽曲をプロデュースまたはリミックスを手がけています。
代表的なところでは、ジャスティン・ビーバーの「Beauty and a Beat」(マックス・マーティンとの共同プロデュース)、レディー・ガガのアルバム『ARTPOP』収録の「G.U.Y.」「Aura」「Donatella」、そしてケイティ・ペリーの「Never Really Over」の共作・プロデュースなど。表に出るDJであると同時に、裏方としても一流という珍しいタイプです。
受賞歴とDJランキング
『Clarity』は、2014年の第56回グラミー賞では最優秀ダンスレコーディング賞を受賞しました。
その後も「Stay」が第60回でベスト・ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞に、「The Middle」は第61回で年間最優秀レコード賞・年間最優秀楽曲賞を含む3部門にノミネート。2025年の第67回では3rdアルバム『Telos』が最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞の候補となり、グラミーのノミネートは通算6回を数えます。
そのほか2017年のMTV VMAでは「Stay」がベスト・ダンス賞を受賞、2016年のビルボード・ミュージック・アワードでは『True Colors』がトップ・ダンス/エレクトロニック・アルバム賞に輝いています。
2017年人気DJランキングでは29位、2018年には44位にランクインしています。2021年からはラスベガスのResorts World内「Zouk Nightclub」でレジデンシー契約を結び、現在も同地の看板DJのひとりです。
ZEDD(ゼッド)のおすすめ人気曲・アルバム
1stアルバム『Clarity』(2012年)
ZEDDの名を世界に知らしめた、メジャーデビューアルバムです。2012年10月にInterscope Recordsからリリースされました。
ビルボード200では38位ながら、ダンス/エレクトロニック・アルバム・チャートでは2位を記録。米国でプラチナ認定を受けたロングセラーとなりました。
Zedd – Spectrum ft. Matthew Koma
マシュー・コーマをフィーチャーした楽曲。2012年のリリースで、米ダンスチャートで1位を獲得し、彼の最初のブレイクとなりました。
Zedd – Clarity ft. Foxes
Zeddの名が世界的に知られるキッカケとなるヒット曲。
ビルボードでは最高位8位まで上昇しました。
イギリスの女性アーティストFoxesをフィーチャーしています。前述のとおりグラミー賞の最優秀ダンスレコーディング賞を受賞し、EDMがメインストリームに完全に食い込んだ時代を象徴する1曲になりました。
Zedd – Stay The Night ft. Hayley Williams
ロックバンドのParamore(パラモア)のボーカル、ヘイリー・ウィリアムスをフィーチャーしてヒットした楽曲。
UKチャートでは2位まで上昇しています。
多くのDJがプレイしていました。もともとはデラックス盤のボーナストラックという位置づけでしたが、結果的にアルバムを代表する1曲になっています。
収録曲(デラックス・エディション)
- Hourglass (feat. Liz)
- Shave It Up
- Spectrum (feat. Matthew Koma)
- Lost at Sea (feat. Ryan Tedder)
- Clarity (feat. Foxes)
- Codec
- Stache
- Fall into the Sky (with Lucky Date, feat. Ellie Goulding)
- Follow You Down (feat. Bright Lights)
- Epos
- Stay the Night (feat. Hayley Williams)
- Push Play (feat. Miriam Bryant)
- Alive (Zedd Remix) (with Empire of the Sun)
- Breakn' a Sweat (Zedd Remix) (with Skrillex & The Doors)
2ndアルバム『True Colors』(2015年)
2015年5月15日リリース。ビルボード200で4位、ダンス/エレクトロニック・アルバム・チャートでは1位を記録し、翌2016年のビルボード・ミュージック・アワードで同部門の最優秀アルバムに選ばれました。
リリース前には、北米10都市をまわって1曲ずつ新曲を公開していくという凝ったプロモーションを展開。各会場が曲のイメージカラーで統一されるという、アルバムタイトルにかけた仕掛けも話題になりました。
Zedd – I Want You To Know ft. Selena Gomez
セレーナ・ゴメスをフィーチャーしてヒットした楽曲です。
UKチャートでは最高位14位、ビルボードでは17位まで上昇しました。
Zedd – Find You ft. Matthew Koma, Miriam Bryant
もともとは2014年1月、映画『ダイバージェント』のサウンドトラックの先行シングルとして発表された楽曲です。米ダンス・クラブ・ソングス・チャートで1位を獲得しました。切なくも壮大な展開で、彼のメロディメーカーとしての力量がよく分かる1曲です。
なお下記は通常盤(全11曲)の収録内容です。日本盤や「Perfect Edition」には「Stay the Night」「Find You」やリミックスなどが追加収録されています。
収録曲(通常盤)
- Addicted to a Memory (feat. Bahari)
- I Want You to Know (feat. Selena Gomez)
- Beautiful Now (feat. Jon Bellion)
- Transmission (feat. Logic & X Ambassadors)
- Done with Love
- True Colors
- Straight into the Fire
- Papercut (feat. Troye Sivan)
- Bumble Bee (with Botnek)
- Daisy
- Illusion (feat. Echosmith)
日本限定アルバム『Stay +』(2017年)
こちらは日本限定で発売されたアルバムです。ヒットシングルとリミックスをまとめた、実質的なベスト盤といえる内容になっています。
Zedd, Alessia Cara – Stay
カナダのアーティスト、アレッシア・カーラとのコラボ曲。
UKチャートでは最高位8位、ビルボードでは7位まで上昇しました。グラミー賞のベスト・ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にもノミネートされた、彼のキャリアを代表するヒットです。
収録曲には中田ヤスタカによる「Stay」のリミックスも含まれており、日本盤ならではの内容になっています。
収録曲
- Stay (Zedd & Alessia Cara)
- Get Low (Zedd & Liam Payne)
- Break Free (Ariana Grande feat. Zedd)
- Beautiful Now (feat. Jon Bellion)
- Candyman (Zedd & Aloe Blacc)
- Adrenaline (Zedd & Grey)
- Ignite
- Starving (Hailee Steinfeld & Grey feat. Zedd)
- Stay (Yasutaka Nakata Remix) (Zedd & Alessia Cara)
- Get Low (Kuuro Remix) (Zedd & Liam Payne)
- Let Me Love You (Zedd Remix) (DJ Snake & Zedd feat. Justin Bieber)
- Zedd Mega Nonstop Mix
3rdアルバム『Telos』(2024年)
2024年8月30日リリース。『True Colors』から9年ぶりとなる3枚目のスタジオアルバムです。
発表方法も彼らしく、2024年5月のEDC ラスベガスでのパフォーマンス中に、上空へのスカイライティング(飛行機雲による空中文字)で発売日を告知するというもの。本人はこの作品を「これまでで最も誠実で、最も個人的なアルバム」と語っています。
全10曲・約38分とコンパクトながら、参加陣が異様に豪華です。ジョン・メイヤー、Muse、Remi Wolf、Bea Miller、さらに1997年に亡くなったジェフ・バックリィの音源を用いた「Dream Brother」まで収録。EDMのフォーマットを借りつつ、ロックやフォークの匂いが濃い作品になりました。
米ダンス・アルバム・チャートで8位、UKダンス・アルバムで14位を記録し、2025年の第67回グラミー賞では最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞にノミネートされています。
Zedd – Out of Time (feat. Bea Miller)
2024年6月21日にリリースされた、アルバムの先行シングル。9年の沈黙を破る1曲として、往年のZeddらしい高揚感が戻ってきたと話題になりました。
Zedd – 1685 (feat. Muse)
アルバムの最後を飾る、Museを迎えた1曲。ちなみにタイトルの「1685」は、バッハやヘンデルが生まれた年でもあります。ロックバンド出身のプロデューサーと、クラシカルな素養を持つロックバンドが出会った、本作を象徴するトラックです。
収録曲
- Out of Time (feat. Bea Miller)
- Tangerine Rays (with Ellis, feat. Bea Miller)
- Shanti (with Grey)
- No Gravity (feat. Bava)
- Sona (with The Olllam)
- Lucky (feat. Remi Wolf)
- Dream Brother (feat. Jeff Buckley)
- Descensus (with Mesto, feat. Dora Jar)
- Automatic Yes (feat. John Mayer)
- 1685 (feat. Muse)
アルバム未収録の人気曲
Zedd, Maren Morris, Grey – The Middle
UKチャートでは最高位7位、ビルボードでは5位まで上昇しました。
2018年最大級のヒットで、米国のポップ・ラジオチャートでは1位を獲得。翌年のグラミー賞では年間最優秀レコード賞・年間最優秀楽曲賞を含む3部門にノミネートされました。カントリー歌手のマレン・モリスを迎えた人選も絶妙で、いま振り返ると『Telos』へつながるジャンル横断の予兆でもありました。
Zedd, Katy Perry – 365
2019年2月14日、バレンタインデーにリリースされたケイティ・ペリーとのコラボ曲。ミュージックビデオでは、ケイティが感情を学習していくアンドロイドを演じています。
参加楽曲
Ariana Grande – Break Free ft. Zedd
人気女性アーティスト、アリアナ・グランデの楽曲です。
ビルボードでは最高位4位。
日本限定アルバム『Stay +』に収録されています。
Hailee Steinfeld, Grey – Starving ft. Zedd
米国・英国ともに最高位5位を記録したヒット曲。日本限定アルバム『Stay +』に収録されています。
『ドラゴンボールDAIMA』主題歌と来日公演
ZEDDと日本の関わりで見逃せないのが、2024年放送のアニメ『ドラゴンボールDAIMA』です。
オープニング主題歌「ジャカ☆ジャ~ン feat. C&K」とエンディングテーマ「NAKAMA feat. AI」の2曲を手がけ、シングルCDは2025年2月19日にリリースされました。世界的なEDMプロデューサーがドラゴンボールの主題歌を書くという組み合わせは、発表時に大きな話題を呼びました。
Zedd – ジャカ☆ジャ~ン feat. C&K
来日公演も重ねており、2018年3月に続いて、2025年2月にはKアリーナ横浜(2月24日)と神戸ワールド記念ホール(2月26日)で公演を行いました。
まとめ
人気DJとして日本でもファンの多い、ZEDD。これまで発売してきたアルバムから多くのヒット曲を生み出しています。
これから聴くなら、まずは「Clarity」「Stay」「The Middle」の3曲から。ここで気に入ったら1st『Clarity』を通しで聴いてみてください。今の彼を知りたいなら、ロックやフォークの手触りを取り込んだ3rd『Telos』がおすすめです。
メタルコアバンドのドラマーとして出発し、EDMの頂点に立ち、9年ぶりのアルバムでまたバンドサウンドに接近する。ジャンルを行き来しながら変化し続けるところが、このアーティストの一番の魅力かもしれません。今後のリリースも楽しみですね。
