一生ロックな不良兄弟のニイちゃん!天才作曲家「ノエル・ギャラガー」のルーツとは!

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UKロックの王道、ビートルズの再来。イギリスの匂いを醸し出すメロディーの強さとクォリティの高さ。

そして兄弟仲がすこぶる悪く見ているこっちは常にヒヤヒヤする、ガラの悪いにいちゃんが労働者階級の普段着のまま歌ったらただただ魅力的なバンド「オアシス」。

仲がすこぶる悪いのに兄弟でバンドやってるってだけで興味津々なのに、お世辞にもいいとはいえないやさぐれた環境で育ってガキの頃から問題児、大好きなサッカーに行ってもトラブルメーカーとこれだけでも話題に欠かないのに、兄弟揃ってバンド活動中も問題発言と行動ばかりで人間性には良くも悪くも魅了されっぱなし。

そんなオアシスの兄弟の兄貴の方を今回は紹介したいと思います。どっちも紹介したいですがとりあえず今回は兄貴。

ノエル・ギャラガーとは

バンドとしての魅力はもちろんですし弟の魅力もあふれんばかりですが、兄貴単体も魅力と暴力の塊。思いっきりの不良からだれもが心を揺さぶられる曲をどうやって生み出したんだと言う疑問から、彼を紐解いていきたいと思う次第。

ざっくりとバンドや兄弟について説明すると、オアシスはイギリスのマンチェスター産のロックバンド。

1991年からギャラガー兄弟を中心に結成されました。リアル兄弟でありお兄ちゃんは今回紹介するノエル・ギャラガー。ギターやソングライティングを担当する天才的な作曲家という側面もあります。

ちなみに弟のリアム・ギャラガーはメインのボーカル担当。素晴らしい歌唱力ですが素晴らしい喧嘩っ早さも併せ持つので傷害沙汰よろしくなロックスター気質。彼の紹介も華やぐこと間違いなしです。(というか過激さでいうと弟の方がぽい気もしますが)

彼らの全世界でのトータルセールスは7000万枚以上とワールドワイドな活躍っぷり!

2009年にこそ解散しましたが、日本でももちろん有名ですよね。

その音楽性については別の機会に。なんで天才作曲家のノエル・ギャラガー単体を紹介したいかというと、話題が尽きなさすぎる言動っぷりが本当にまあ…。

弟もたいがいですが兄貴も大概です。そんくらい問題言動にまみれたロックを体現する兄弟。

兄貴はほかのバンドを名指しでオフィシャルボロカス言うのでたまらんですな。

それだけでもヤバいのにふつうにヤバい発言としては、「ドラッグなんて紅茶みたいなもん」「スーパーのレジが混んでムカついた仕返しに万引きした」など、どういう人は想像つくような破天荒感が漂ってる人です。

なんでそんな風になったんだよとか、でもなんでそんな無茶苦茶なのに王道のキャッチーなUKソングを生み出せるんだよとか、そのへんの疑問を解決しようって流れです。

裕福でも幸福でもない幼少期

攻撃的な方なんだなあということが分かった入りですが、どうしてこんな風になっちまったのか。

裕福で幸福ならこうはならないでしょう。ということで幼少期の話について。

マンチェスターに近いロングサイトという場所で1967年5月29日、3兄弟の次男として生まれました。意外かもしれませんがギャラガー兄弟は2人ではなく3人です。オアシスは2人の兄弟でやってただけですね。

ギャラガー兄弟の不幸なところは、アルコール依存症の父親を持ったことでしょう。度重なる暴力を受けたことで、心理的なストレスを抱えて吃音症を患うほど辛い経験をしました。

吃音症とはうまく言葉を話すことができない症状で、日本ではどもりとも言われます。

(ちなみに「どもり」という言葉が差別用語に該当されるので公の場で目にすることは近年ないでしょう)

こんなとんでも親父には母ペギーも嫌気が差していたのでしょう。3人の子供を連れて、暴力夫とは離別しました。

バッチリ不良になったノエル

こんな幼少期の経験してりゃそりゃまともに子供時代を送らないですわね。

10代のギャラガー兄弟は不良街道まっしぐら。どんどん正規ルートからかけ離れていきます。

学校の無断欠勤は当たり前、警察の世話になることも珍しくなく13歳の頃には強盗でパクられています。

明らかに最悪な親父の悪影響をモロに被ってますが、それが幸か不幸か、音楽との出会いにつながっていきます。

荒れた心を癒してくれるのか、荒れた心から生じる怒りをなにかに変換したかったのか、彼は独学でギターを練習し始めました。ラジオから流れてくる好きな音楽を真似てスキルを上げていったようです。

これで後世の道を歩んでいくのかと思いきや、15歳の頃には学校で問題沙汰を起こして退学処分となりました。

ちなみに起こした問題は、小麦粉の袋をおもっきり教師に投げつけたのだとか。…どのくらいのレベルの問題なのか分かりにくい。

それから彼は建築会社で働き出したのですが、なぜか問題親父の働いてる職場で勤務することに。コネがそこしかなかったのか!?

しかし後に職場を変えて別の工務店で配管工として就職したようです。父親と同じ職場では関係がなくはなかったようですが、どういう心境でどういう間柄だったのやら。

現在では父親との関係は修復、することなんて一切なくむしろ関係は悪化していて、完全に縁を切っているといいます。

その原因が母親への虐待行為が明らかになったからということで、どこまで腐ってる父親なんだと罵倒したくなります。

ちなみにノエルは学校に通っていたとき、母ペギーは学校の食堂で働いていました。その母の元に昼飯の時間は顔を出していたので、お母さんとは仲良かったんでしょうね。

仕事中に怪我したら名曲が生まれた!?

彼はクソ親父の会社からガス会社関連の工務店で働き始めましたらが、そこで悲劇が。

ノエルの足に鋼鉄製のガスパイプのキャップが落ちてしまい、右足を負傷しました。

会社はノエルに優しかったようで、身体に負担がない倉庫での仕事をノエルに回してくれました。いい会社ですね!

そこでの仕事は肉体的に負担がなく、時間にもゆとりがあったということでしょう。ギターの練習や作詞活動に費やすことができたそうで、この時期にオアシスのファースト・アルバムに収録されることになった曲を作ったそうです。

昔から作曲の才能があったんですね。

その才能の一端を担ったのが親父にあるとも考えられます。

というのも、ノエルは幼い頃は社交的でしたが、父親のひどい暴力に怯えるあまり他人との精神的なつながりを求めない性格に変わっていったのです。

これは弟のリアムが回想して発言しています。(ちなみに3男のリアムは比較的それほど暴力を振るわれなかったそうで、2人の人間形成に影響を与えてるでしょう)

とにかく暴力を振るわれた側の兄貴は内向的になり、それゆえにアーティスト気質が育ったのでしょう。それがソングライティングの才能を開花させたのだとすれば、父親の存在意義もまあ無くはないですね。

そもそもその父親の遺伝子があってこそギャラガー兄弟が生誕したのですが。ですが。成功したからいいものの。

音楽キャリアのスタート


それからは失業している期間が長らく続き、フラフラと作曲したりギターの練習をしたりドラッグをやったり(!?)気ままに過ごしたいたノエル。

あるとき彼が後に大きな影響を受けることになるザ・ストーン・ローゼズというイギリスのロックバンドの小規模なライブを見にいったとき、同じくイギリスのロックバンドのインスパイラル・カーペッツのギタリストと出逢います。

ザ・ストーン・ローゼズもインスパイラル・カーペッツも80年代から90年代にかけてマンチェスターのロックシーンを代表したバンドで、マンチェスター近辺で生活をしていたというのが分かりますね。
(ちなみに彼はサッカーでもマンチェスター・シティを幼少期からサポートしています)

そんなマンチェスターシーンで重要なポジションを担うバンド、インスパイラル・カーペッツで縁あってコンサートのサポート業務を行うローディとして働くことになったノエル。なんと日本公演でもローディとして参加していたのだとか。

この音楽キャリアのスタートとも言えるローディ時代を、ノエル自身はとても気に入っていたそうです。

オアシスで大成功して以降の2008年のインタビューで、彼は「写真撮影もなくてインタビューもなく、ただ朝起きて機材チェックをしてギグ(小規模なライブ)をしたら、あとはパーティ三昧だ」と、人生で最高の時だったと発言しているくらいです。


何者にも束縛されず、自由気ままに好きなことをやれていたということでしょうかね。

伝説のバンドに加入

そして音楽関係の仕事を続けるノエルは、とあるバンドのメンバーに目をつけられます。


ザ・レイン。

これは後のオアシスとなるバンドの前身の名前です。
オアシスはギャラガー兄弟によって始まったバンドでは無く、まったく別のメンバーたちによって生み出されたバンドが母体でした。

ノエルの音楽のキャリアを目当てに、ザ・レインのメンバーはノエルの弟のリアムをメンバーに加入させて、リアムがバンドの名前をオアシスに変えました。


(ちなみにバンド名の由来は、ギャラガー兄弟の寝室に貼ってあったインスパイラル・カーペッツのツアーポスアターが由来)

それからマンチェスターのクラブでの初ステージをノエルが観に来て、ノエル自身もバンドに参加しましたというわけです。

兄弟仲良く同じバンドで世界的な成功と名声を得ていったというのに、思いっきり喧嘩してバンド解散につながっていくというのはまた別の話…。

ノエル・ギャラガーが影響を受けたアーティスト

ノエルは自身の影響にビートルズの名前を挙げています。ビートルズの再来とも称された自身たちの評価を光栄だと思う一方で、オアシスとビートルズに共通性はないとノエル自身は発言しています。

音楽的な影響はセックス・ピストルズから最も受けていると発言していて、特にピストルズの「勝手にしやがれ!」(原題はNever Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols)だと公言しています。

作曲を担当したノエルがビートルズを好んでいながら、音楽的に似ているとは感じないと言っているということは、ビートルズに敬意はあれど、アーティストとして作曲者として思うところがあるのでしょうか。

実際に、モーニング・グローリーやイギリスの歴史に名を刻んだディフォニトニー・メイビーのアルバムをリリースした際、ノエルは「ビートルズよりもオアシスの方がビッグだ」と発言したそうです。


後にノエルはこのコメントをしたときはハイになっていたと振り返っていますが、ビートルズを意識していることは間違いないでしょう。

(後にコメントして訂正しているあたり、ビートルズに対していろんな思いが混じっていると推察できます。まあ焦りもしたでしょうが。ハイになっていたとはいえとんでも発言に変わりありませんし。というかハイになってたことには言及しねえのかとって話ですが)

しかし彼はドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の試写での発言でこう語っています。

「オアシスが始まった時、俺たちはビッグで、サイズの面でザ・ビートルズと比較されたけど、音楽的にも比較されたのはきまりが悪かったね」
「ザ・ビートルズほどいいものではなかったからね」

「自分にとってすべてだった」と語っている。「彼らには最高の曲があるからね。間違いないよ。自分のレコード・コレクションでも、抜群に最高の曲だからね」

「移り変わってゆく、あらゆる人たちに影響を与えた誰しもに影響を与えた人たちだからね。その影響力については疑問の余地がないよ。ギターを弾いて曲を書く人間で、ザ・ビートルズの影響を挙げない人に会ったことがないね」

NME JAPAN
https://nme-jp.com/news/109529/

こんなに謙虚にビートルズのことを言っているのに、ほかの発言はなんでこうも過激なんだと言わんばかりに。

最後にノエルのユニークな発言について言及していきましょう。

エイズにでもかかって死ねばいい

早速笑えない発言からの紹介です。

これは90年代以降のイギリスを代表するオルタナティブ・ロックバンドのブラーのメンバーであるデーモンとアレックスに発言したもの。

ブラーとオアシスは当時ビートルズの再来としておたがいに英国を代表するロックバンドであり、シングル同時発売対決などおたがいがおたがいにライバルでありけなし合いまくっていました。


そしてシングルの同時発売対決で負けた時にノエルが激怒した発言しました。
この発言はブラーを相手にして問題になったのではなく

(元から無茶苦茶言ってた仲ですし)エイズ団体からもうバッシングを受けて社会批判にまでなったのです。

このようにちょっとした発言でとんでもないことを挟むあたり、メンタル的にロックでよろしいのですが、反社会的な側面は一般受けはせんでしょうね。

(ちなみに後にノエルは、デーモンとアレックスには長生きしてほしいと謝罪したそうです。根は別に悪い人ではないでしょうね)

もしドラッグ摂取がオリンピック競技だったら

「俺はイングランドのために、金メダルを腐るほど取れただろうな」

NME JAPAN
https://nme-jp.com/blogs/14222/2/

2006年11月にパーキンソン誌にて公式に発言されています。
いいですね!

・曲を書くことが俺をやる気にさせる

「ドラッグでも、セックスでも、ロックンロール的な振る舞いでもない。音楽なんだ」

NME JAPAN
https://nme-jp.com/blogs/14222/2/

2009年9月のガーディアン紙にて。
ドラッグはとにかく切っても切れないんですね。

本執筆して読んで、レビューを書いてるような奴らは

本を執筆して読んで、レヴューを書いてるような奴らは、生活のためにアルバムを作って、哀れな曲を書いてる俺たちみたいな人間より少しだけ優位に立ってる。理解できねえ。本を売る奴、読む奴、書く奴、本屋、全員くたばっちまえ

NME JAPAN
https://nme-jp.com/blogs/14222/2/

米『GQ』誌、2013年10月から。

これわりと全部2010年前後の発言ばっかりですから歳を重ねてもロックでいいですね!!!!

ラストに紹介したい名言「母親のことは?」

「弟を産むまでは愛してた」

あんた弟生まれてからもガキの頃食堂で働いてる母ちゃんのとこ通ってたんじゃないのか。